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瑞牆山への登山は瑞牆山荘前から登るのが一般的です。

マイカーを使う登山者のために瑞牆山荘近くには二つの無料駐車場があり合計約120台駐車することが出来ます。※冬季、瑞牆山荘までの道路状況は金峰山のページをご覧ください。

瑞牆山荘から登る場合、金峰山と合わせて登山計画を立てるのも面白いと思います。

みずがき山自然公園をスタート地点とする不動滝(北面ルート)ルートは林道を30分ほど歩くと林道終点に着きます。
登山口(林道終点)まで車が入り、約15台駐車可能なスペースがあります。
※冬期(12月上旬~4月下旬)は県営林道みずがき線が閉鎖され、みずがき山自然公園まで行くことはできません。

二つのルート共に難所は無く、コースタイムも短いため登山初心者向けコースとなっています。

瑞牆山山頂の隣にある大ヤスリ岩ハイピークルートは、クライミングルートとして親しまれています。山頂からは大ヤスリ岩を登るクライマーが見え、見ている方がムズムズしてくる感覚を覚えます。

アズマシャクナゲの咲く6月は登山最適時期で、登山道をピンク色のトンネルに変えます。
しかし、不動滝(北面)ルートの山頂付近には残雪が6月中旬までありますから、軽アイゼンを携帯することをお勧めします。

瑞牆山は日帰りも可能ですが、本谷川渓谷沿いにラジウム含有量世界一の増富ラジウム温泉峡があり、宿泊するのもいいと思います。

山の名前は、明治38年に山梨県知事の武田千代三郎が命名したといいます。かつては三繋(みつなぎ)とか小産岩(くうぶいわ)と呼ばれていたようです 。 「瑞牆」とは神社の周囲を囲む垣根(玉垣)のことを言います。瑞牆山荘から少し登った所に金峰山里宮の小祠が祀られていますが、それ以外には登山道沿いに修験道に関わる遺物を目にすることはありません。しかし、大小の奇岩には大ヤスリ岩、弘法岩、十一面岩、カンバンボロンなどと仏教に関係する名前が付けられています。瑞牆山も金峰山と同様に修験者が山岳信仰の対象とする山になっていたようです。
瑞牆山は無数と言って良いほど沢山の花崗岩壁を要した奇峰です。釜瀬川の源流の右岸に絵星岩、左岸に屏風岩。天鳥川の源流部・北ノ沢の右岸に十一面岩(左岩稜末端壁、左岩壁、正面壁)が、左岸に小ヤスリ岩などがあります。この中でも、十一面岩左岩稜末端壁は、日本のクラッククライミングの代表的な岩壁です。天鳥川の源流部を右手に進むとカンマンボロン、大面岩、小面岩などが連なっています。瑞牆山の北東部へ連なる稜線は、本峰南壁、鋸岩、大岩塔です。
かつて修験道では「胎内くぐり」という修行がありました。自然の岩の割れ目などをくぐり、疑死再生の体験を行うものです。 江戸時代まで、瑞牆山の隣にある金峰山が修験道の主要な霊場となっていましたが、僅かではありますが、瑞牆山も修験道の対象の山となっていた証拠を示す資料が残っています。

弘法大使が大日如来・不動明王と言う意味の「カンマンボロン」の梵字を刻んだとされる岩壁の前に「胎内くぐり」の修行に相応しい岩の割れ目があります。修験道の霊場としては余りにもぴったりしているので、かつて修験者がここで修行をしていたであろう姿を想像するとロマンを掻き立てられます。

金峰山は標高2,599m、奥秩父山系の西に位置し、古から奥秩父の最高峰とされてきましたが、実際には北奥千丈岳に2m 及ばず、奥秩父第2位の高峰と言えます。とはいえ、信州側や甲州側からはっきりとその姿をとらえることが出来きます。金峰山が奥秩父の主峰であり、笛吹川や千曲川などの水源を有する豊かな水の恵みもたらす耕作の守護神として信仰の対象になっていたことは疑う余地がありません。

山頂付近は高山植物の群落が広がり、展望にも恵まれた金峰山を深田久弥は日本百名山の一つに選定しています。

金峰山の呼び名は山梨県では「きんぷさん」、長野県側では「きんぽうさん」と言われています。古くは「金風山(きんぷうさん)」と呼ばれたらしいが、江戸時代に「金峰」の名前が定着したようです。

金峰山の象徴はその山頂にある五丈石(五丈岩、御像石、蔵石)です。蔵王権現が踏みつける盤石に由来したと考えられている 五丈石は、高さ約20mほどの花崗岩で、特に登攀用具を必要とすることなくクライミングすることで、そのてっぺんに立つことが出来ます。

金峰山への最もおすすめ登山コースは瑞牆山荘から入山し、大日岩を通り、右側がスパッと切れ落ちた千代の吹上を通過するルートです。 何といっても千代の吹上から見る岩稜は絶景です。
昭文社の山と高原地図には千代の吹上の場所に危険マークがありますが、難易度は低く登山初心者でも十分登山可能なルートです。
他に大弛峠と廻り目平を登山口とするコースがありますが、共に難所は無く難易度の低いルートです。

千代の吹上コースでは、登山口となっている瑞牆山荘までシーズン中に限り、JR韮崎駅から登山バスが運行されています。
また、マイカーで来られる登山者のために100台以上停められる無料駐車も完備しています。
金峰山の近くには瑞牆山、甲武信ヶ岳と日本百名山が2座あり、これらの山を周回するコースを計画するのも面白いと思います。

大弛峠を登山口とする場合、マイカーの場合には大弛峠に数十台の駐車スペースがありますが、シーズン中や土日には駐車場はすぐに一杯となり車道に車の列が数百メートル伸びる事があります。
大弛峠の標高は2,360mあり、日本の峠の中で車が入れる最高地点です。
そのため金峰山までの標高差は239mと少なく、しかも2時間ほどで金峰山山頂に立てるため、登山者の数は瑞牆山荘からのルートより遥かに多くなっています。

長野県川上村の廻り目平を登山口とするルートは、マイカーの場合には金峰山荘(廻り目平キャンプ場)の大駐車場に車を停めます。
川上村村営バスが川端下まで来ていますが、登山口である金峰山荘まで1時間以上歩く必要があるため、JR小海線・信濃川上駅からタクシーの方が便利と思われます。
金峰山荘(廻り目平キャンプ場)から1時間20分ほど千曲川源流の西股沢に沿って上がります。 途中の砂防堤を過ぎると樹林帯に入り、尾根にそって登りますが展望はあまり望めません。
金峰山小屋に到着してやっと展望が開け、山頂にある五丈石を望むことができます。 金峰山小屋からはハイマツ帯の間を20分ほど登れば山頂です。

冬季は大弛峠/クリスタルラインが通行止めになる為、登山口は金峰山荘か、周り目平となります。人気は金峰山荘からで、砂払いの頭から千代の吹上の通過がハイライトです。